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『利益5兆円』の会社が実は市場に評価されない理由——ソフトバンクGの財務構造を中小企業経営者が読み解く

# 『利益5兆円』の会社が実は市場に評価されない理由——ソフトバンクGの財務構造を中小企業経営者が読み解く 先日、ある製造業の経営者の方と話していて、こんな言葉が出てきました。 > 「ソフトバンクGって毎年すごい数字を出しているのに、株価はずっと低迷していますよね。あれ、何なんでしょう」 確かに、2023年度の純

GRINDA AI
2026년 5월 28일
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『利益5兆円』の会社が実は市場に評価されない理由——ソフトバンクGの財務構造を中小企業経営者が読み解く

「財務が読めない会社とは取引したくない」——海外バイヤーが感じる、3つの財務的な印象

海外営業をしていると、こんな場面に出くわすことはないでしょうか。

「商品の品質も価格も問題ない。でも、なぜかバイヤーから返信が止まってしまった」

製品そのものではなく、会社の印象が原因になっているケースが、実はかなりあります。

弊社のお客様とお話ししていて気づくのは、海外バイヤーとの商談が初期段階で止まるとき、財務的な「読みにくさ」が影響していることが少なくないということです。

今回は、ソフトバンクGの財務構造を入口にしながら、「海外バイヤーが取引相手に感じる財務的な印象」という視点で整理してみます。


なぜ「利益5兆円」の会社が市場に評価されないのか

少し前、製造業の経営者の方からこんな質問をもらいました。

「ソフトバンクGって毎年すごい数字を出しているのに、株価はずっと低迷していますよね。あれ、何なんでしょう」

確かに、2023年度の純利益は約9,400億円の黒字(ソフトバンクグループ2024年3月期決算)、翌期には「5兆円超の利益」と報じられることもありました。それなのに、時価総額は保有資産の合計と比べて大幅に割り引かれた水準で推移している。

この「なぜ?」を解きほぐすと、海外営業の現場にも直接使える視点が見えてきます。

ソフトバンクGの本体は、実態としては巨大な投資持株会社です。損益計算書には、保有している株式の時価評価の変動が反映されます。アリババやARMの株価が上がれば「利益」が計上され、下がれば「損失」になる。IFRS(国際財務報告基準)では「投資の公正価値変動」として損益に含める会計処理が認められているためです。

つまり、「5兆円の利益」の大部分はまだ売っていない株の含み益であることが多く、現金は手元にほとんど増えていない、というケースもあります。

さらに、連結の有利子負債残高は18兆円超(同社有価証券報告書)。資産が大きくても、負債も大きく、構造が複雑で外から全体像を把握しにくい。

市場が「割引」をかける理由はここにあります。

  • 利益が本当に現金として実現するかの確度が低い
  • 財務構造が複雑で外から理解しにくい
  • 意思決定が特定の人物に集中している

これをNAVディスカウント(持株会社ディスカウント)と呼びます。ソフトバンクGはこのディスカウント幅が長年30〜50%程度で推移してきた時期があります(同社開示資料より)。

規模は全然違いますが、この構造は中小企業の海外取引でも同じように働きます。


海外バイヤーが「取引したくない」と感じる、3つの財務的な印象

印象1:「この会社、利益は出ているのにお金がなさそう」

弊社のお客様で、東南アジアのバイヤーと商談が進んでいた食品加工メーカーの例があります。製品サンプルの評価は良好でした。ところが、バイヤー側から「決済条件をもう少し早めてほしい」という要望が出たとき、対応が難しいという回答をしたところ、商談の温度が一気に下がりました。

後からわかったのは、バイヤー側が「この会社、キャッシュに余裕がないのかもしれない」と感じていたということです。

損益計算書の利益と、実際に手元にある現金は別物です。売掛金が積み上がっていたり、回収サイト(売上が入金されるまでの日数)が長かったりすると、黒字でも資金繰りがきつくなります。これはソフトバンクGの「含み益は大きいが現金は限られる」構造と、意味的には同じです。

海外バイヤー、特にアジアの卸業者は、取引相手のキャッシュポジションを想像しながら商談しています。

印象2:「会社の構造がよくわからない」

日本企業の方とお話していて、こういう場面によく出くわします。親会社・子会社・関連会社が複数あり、どこが実際の意思決定主体なのかが外からわかりにくい、という状態です。

日本国内では「関係者なら知っている」という前提で動くことも多いですが、海外バイヤーにはその前提がありません。会社紹介資料や初回のやり取りで「この会社の構造、ちょっとわかりにくいな」と感じさせてしまうと、それだけで警戒されることがあります。

ソフトバンクGのNAVディスカウントの一因が「外から全体像が見えにくい複雑な財務構造」であったのと、原理は同じです。理解しにくい構造は、それだけで評価を下げます。

印象3:「担当者が変わったら話が変わりそう」

弊社のお客様で、中東の代理店候補と長期契約の交渉をしていたケースがあります。商談が進むにつれて、バイヤー側が繰り返し確認してきたのが「担当者が変わっても、この条件は維持されますか?」という点でした。

日本企業は人事異動が多いことが知られています。海外バイヤーからすると、「社長や担当者個人に依存した会社」は、継続取引のリスクとして映ります。

ソフトバンクGに対する「経営者リスク」と呼ばれる評価軸——孫正義氏の個人的判断が会社全体を左右する構造——は、中小企業にも直結する話です。「担当者が変わっても対応水準が安定している」という印象が、長期的な取引関係を作る上で重要になります。


「財務の透明性」は海外営業の武器になる

ここまで整理すると、海外バイヤーが初期段階で判断しているのは、製品の品質だけではないことがわかります。

  • キャッシュに余裕がありそうか
  • 会社の構造が理解しやすいか
  • 担当者が変わっても対応が安定しているか

この3点は、財務リテラシーというより**「会社の読みやすさ」**の問題です。

自社の会社紹介資料や初回メールを、「海外バイヤーが初めて見たとき、どう読まれるか」という視点で見直してみてください。

  • 意思決定できる担当者が誰なのか明確か
  • 複数の関連会社が出てくる場合、関係性が一行で説明できるか
  • 支払い・納期・契約条件について、担当者依存でなく会社としての基準があるか

これは海外営業の準備段階で、意外と見落とされがちな視点です。

数字が大きくても市場に評価されない会社がある一方で、規模が小さくても確かに評価される会社がある。その違いは、「利益の質」と「構造の透明性」に尽きます。これはソフトバンクGの事例が、規模を超えて教えてくれることだと思っています。


海外バイヤーとの初期接点づくりや、商談前の会社資料の見せ方でお困りの方は、コメントでお気軽にどうぞ。

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